2022年11月07日
- 認知行動療法
認知行動療法の問い16:セルフ認知行動療法
質問
セルフ認知行動療法とはどのようなものですか
回答
セルフ認知行動療法とは、自分一人で行う認知行動療法のことです。用途はさまざまで、自身の「考え」や「行動」の変化によって対処可能な困りごとであれば活用可能です。私自身、常日頃からセルフ認知行動療法を試みていますので今回は一例をご紹介したいと思います。私はもともと他者評価が気になり発言を控えたり人目につく行動ができませんでした。生活や仕事にかなり支障がでていましたので、セルフ認知行動療法を行うことにしました。まず最初にやったことは、困りごとが生じている場面(状況)のピックアップです。「人目が気になる」ことにより支障が出ている場面を明らかにした後、その場面で生じている気分や考えを振り返りました。私の場合は「目立つと嫌われる」「指摘される」という考えが頻繁に浮かび恐怖を感じていました。恐怖を感じないために発言を控えていたことも分かってきました。セルフ認知行動療法では、このように困りごとがどのように生じているか整理することから始まります。その後、不安や恐怖との付き合い方を勉強します。多くの場合、不安は危険から自分を守ってくれるための大切な機能があるのですが、時にはそれほど危険でないことに対しても過剰に不安に感じ生活に支障がでてきます。私の場合も過剰な不安な恐怖により行動が振り回されていました。そこで少しずつではありますが、人前で自分の意見を言ってみるなどの行動をしてみることにしました。youtubeで動画を配信することにもチャレンジしました。その結果、確かに指摘を受けて傷つくことはあったけれども想像していたよりは最悪な事態になることはありませんでした。次第に人からの評価は気になるものの振り回されずに過ごすことができるようになってきました。セルフ認知行動療法をやっていなければ、おそらく今もかつての状態とそう変わりはないことでしょう。とはいえお手軽にできるものでもないという一文を付け加えて終わりにしたいと思います。