認知行動療法の問い15:パニック症への認知行動療法 | 株式会社CBTメンタルサポート

質問
パニック症に認知行動療法を行う際に工夫などありましたら教えてください。

回答
 パニック症とは、予期せず突然始まり、通常10分以内にピークに達するパニック発作(動悸、息切れ、ふらつき、発汗など)を経験し、そのことを持続的に心配したり出現した場所への不安から回避行動を繰り返す困りごとです。「また発作がおきてしまう」などの予期不安が生じ、不安を回避するための安全確保行動を繰り返します。例えば、集団場面を避ける、電車や狭い場所に行かないようにする、少しでも体調が悪い時には外出を控えるなどがそれにあたります。安全確保行動は、短期的には不安感を低減させますが、長期的に見ると生活に支障をきたします。
 認知行動療法をパニック症に用いる場合には、他の困りごと同様に「認知」と「行動」の視点から現在の悪循環を明確にしていきます。相談者にとってパニック発作は何でどのような予期不安が浮かび、どのような安全確保行動をとるか明確にすることでパニック症が日常生活に及ぼす影響を明確にしていきます。その後、現在の悪循環がなぜ生じているかについて心理教育を行います。そして悪循環を脱するための介入方法を検討します。安全確保行動をとる代わりに不安場面に積極的に出向き不快感を味わう曝露法などを用いることが多いです。パニック症の方の多くは身体感覚への過敏性も増すため、パニック発作に似た反応に過敏になる場合があります。曝露を用いて、あえて不快な身体反応を引き起こし、しっかりと味わうといった内部感覚曝露を実施する場合もあります。曝露の他に認知再構成やリラクセーション、注意訓練などを組み合わせて実施する場合もあります。

一覧に戻る

関連情報をSNSにて発信しております

  • twitter
  • line
  • youtube
  • note