認知行動療法の問い10:行動実験 | 株式会社CBTメンタルサポート

質問
認知行動療法で用いる行動実験について詳しく学びたいです。

回答
 行動実験は、不合理な認知を実験を通して検証する認知的アプローチの一つです。不合理な認知とは、例えば「仕事はなんでも完璧にこなすべきだ」との認知を大切にするがゆえに不完全な状態を過度に恐れるなど日常生活に支障を及ぼしている認知のことです。実際のカウンセリングでは不合理な認知によってやりすぎていることやできていないことを発見します。行動実験では、不合理な認知が出現してもあえてそれに従わない場合何が起きそうか予想します。そして実験として様々なことにチャレンジをしてみて予想と実際の結果を振り返ることで認知再構成を促します。

行動実験の流れ
①検討する認知を決める:不合理と思われる認知
②チャレンジ内容を決める
③ギャップの大きそうな内容を選択する
④あいまいな結果にならないよう気をつける
⑤一部予想が当たっていたとしてもそれで破局的な結果になったかを振り返る
 例:指摘はされたが無視されることはなかったなど
⑥繰り返し行う

筆者が実際にやった行動実験
私はもともと他者評価を過剰に恐れていました。youtubeで動画を配信する機会があったのですが、そんなことをすると数万人に拡散され「心理士が動画を配信するなどありえない」と大炎上してしまう想像をしていきました。その想像が怖くしばらく動画配信を避けていたのですが、せっかくの機会だし行動実験してみようと想い勇気を出して実験をすることにしました。

予想:数万人に拡散され大炎上する。その結果業界を干され無職になる

実験:自己紹介動画をyoutube上にアップする

結果:2~3再生しかされずコメントもなし

感想:予想とは違ったがこれほどまでに興味をもたれていないのかとショックをうけた

上記の経験を通して、もともと他人からの評価を気にしていた私ですが、人がいかに他人に興味がないか身をもって気づくことができました。この経験以降、何かをする際にあまり人からの評価を恐れなくなったことを今でも覚えています。

一覧に戻る

関連情報をSNSにて発信しております

  • twitter
  • line
  • youtube
  • note