認知行動療法の問い4:認知行動療法初学者の不安 | 株式会社CBTメンタルサポート

質問

「力不足により逆に利用者を傷つけてしまわないか」「初めの見立てや方向性を間違い、セッションが路頭に迷い頓挫したりしないか」という不安があります。このような悩みへのアドバイスまたは実践者となる時の心構えについて、教えていただきたいです。

回答

 不安があるということは大切なことです。過信や慢心ほど怖いものはありません。認知行動療法を行う際、質問者さんのような不安を感じながら認知行動療法を行うことで慎重になれることがあります。もちろん不安感に飲まれすぎて目の前が見えなくなってしまっては支障がありますが。力不足を自覚できているのであれば無理に背伸びをする必要はないように思います。自分にできることは何かを見極め、それをクライエントさんにお伝えし精一杯頑張る。認知行動療法はセラピストとクライエントさんの二人三脚で進むものです。一緒に学びながら進めるのもアリだと思います(クライエントさんに事情を伝えたうえであれば)。分からないことを分かったフリをしようとしたり、無理して分かろうとするとかえってクライエントさんを傷つけてしまうことにもつながります。

 認知行動療法はセラピストの経験ではなく、客観的データを参考に見立てを行います。言うなれば経験年数に関係なく同じデータを扱うことになります。大切なのは、焦って主観に頼らずデータを大切にする姿勢だと思います。なぜそのような見立てを行ったのか。なぜそのような介入をしたのか、データを基にしているのであれば仮にそれが間違っているとしても、そのことも一つデータとなります。人の数だけこころの困りごとは多様化していますので、どうしても対応しきれない場合もあると思います。そのような時にともに悩める場所を作りたいなとの想いから「認知行動療法の学校」を作りました。初学者が一人で悩まなくて良い場所作りを今後も模索していこうと思います。「分からない」ことを遠慮なく言える場所が私には大切だと考えています。

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