認知行動療法の問い2:子どもへの認知行動療法 | 株式会社CBTメンタルサポート

質問

 認知行動療法を子どもに対して使う場合の良い方法が知りたいです。

回答

 今回はあくまで子ども(10代前半を想定)のみとの面談における認知行動療法の活用方法についてのお話になります。基本的な流れは大人と同様になりますが、分かりやすい例やイラストを用いてイメージしやすくなるような工夫を用いています。特に「認知」についてはまだ言語化できない場合もありますので選択肢から選んでもらうなどの工夫をします。それでも難しそうな場合には無理に聞かないこともあります。基本的に自由にお話いただく中で、認知行動療法の視点から困りごとの整理を行っていくような感じです。一見すると、ふつうにお話をしてすごしているように見えるかもしれません。大切にしているのは問題をなくそうとすることよりも、本人のリソースを発見しそのリソースを活用することで現在の困りごとに役立てるようサポートすることです。例えば、不安が強くあまり自ら主張できないことに悩んでいる子がいるとします。まずは、どのような状況においてどう考えどんな気分になりどのような身体反応が生じどう行動するかを捉えていきます。分からない部分については空白のままにしておきます。得られた情報から現在の困りごとのパターンを把握します。環境、認知、行動のどれが変化しやすいかを一緒に検討していきます。それと同時にリソースについても振り返りを行い「うまくやれている部分」に気づいていただけるようガイドします。その「うまくやれている部分」を活用して現在の困りごとに対処できる方法を模索します。「不安だけど勇気をだして先生に相談した」といったエピソードも大切なリソースです。不安な中でも動けた自分に気づき、どのような一歩なら踏み出せるか検討することでこれまでとは行動が変わってくるかもしれません。大切なのは子ども自身が自ら一歩を踏み出したくなるようになることです。セラピストが無理強いをするのではありません。どうしても認知や行動を扱うのが難しい場合には、誰かの力を借りたり環境調整することも大切になります。このようにお子さん自身の力も環境や他者の力もフル活用してサポートを行っています。

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