アンガーマネジメント:怒りへの認知行動療法 | 株式会社CBTメンタルサポート

今回は怒りの認知行動療法についてまとめていきたいと思います。

「怒り」は自身でまったくコントロールできない感情なのでしょうか?

あなたは今、ある出来事について猛烈に怒っているとします。部屋の物をすべて投げ飛ばしたいほどに。部屋の中にはとても高価な家電が数多くあります。あなたは果たして怒り感情に任せてそれらを投げ飛ばしてしまうでしょうか。それとも、比較的安価な物を選んで投げるでしょうか。おそらく多くの方は怒りながらも冷静な部分があり安価な物を選択して投げるかそもそも投げません。

つまり多くの人は怒り感情をある程度コントロールできるのです。だけど怒っているのです。周りからみると我を忘れているかのように見えるように。それは一体なぜなのでしょうか?

指示に従わない人あり→怒る →指示に従う

お店に不満あり →怒る →謝罪、料金割引

欲しいものあり →怒る →欲しいものが手に入る

すべての場合ではありませんが、「怒る」ことで何らかのメリットを得るかデメリットが取り除かれるといった結果が生じる場合があります。つまり「怒り」があることで自分にとって都合が良いことが起きるのです。ですが、「怒り」を多様すると長期的に信頼関係を失う、怒ること以外のアプローチを学びにくくなるなどデメリットもでてきます。注意が必要なのは一定コントロールができるからといってすぐにやめることができないのが「怒り」です。食べなければ痩せることが分かっていても食べてしまうダイエットのように。

まずは自分にとって「怒り」があることで何が怒っているか振り返ることが大切です。振り返りをしないまま「怒り」に対処(怒りの6秒ルールなど)したとしてもうまくはいかないことでしょう。

怒りの困りごとを認知行動療法で扱う際には、まずしっかりと状況の整理を行い、怒りの意味(機能)を整理していきます。それを振り返った上で怒りの対処法を考えていきます。その際、怒ること以外の対応レパートリー拡大についても検討します。怒らないようになることを目指すのではなく、問題のない怒り方を身に着ける感覚に近いです。認知行動療法を通して怒りとの付き合い方を学んでいきましょう。

怒りは、睡眠不足や何らかの疾患によっても引き起こされる場合があり、その場合には医療機関への受診が必要になる場合もあります。どうか一人で抱え込まないようにしてください。

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