2022年09月24日
- 認知行動療法
認知行動療法のスーパーバイズ(SV)
スーパーバイズとは、セラピストの技術向上や相談者にとってより良いサービスを提供することを目的とした取り組みです。すし屋でいうところの親方とお弟子さんの関係をイメージしてもらえば分かりやすいかと思います。実際には、同じすし屋で働いていない、対等の関係で行われる場合がある、グループで行われる場合もあるなどの違いもあります。スーパーバイズにおいて、すし屋の親方ポジションをスーパーバイザーとよびます。スーパーバイザーは監督者、管理者のことでありスーパーバイジー(すし屋のお弟子さんポジション)に対してマネジメント、助言などを行います。
認知行動療法におけるスーパーバイズ(DV)の活用法
今回はCBTメンタルサポートでのSVを紹介したいと思います。
1.事前無料相談
SVに期待することをお聞きしそのニーズにお応えすることができるかの話し合いを行います。それ以外にもペースや料金、SVの方法について決定します。時間は約10分です。ニーズと異なる場合にはこの時点で終了いただいても問題ございません。
2.SVの方法
SVを実施する際、事前資料なし、逐語形式、A4用紙に面接概要をまとめて報告、パワーポイント形式、模擬面接形式などさまざまな方法があります。特に定めた方法はありませんが、おすすめはパワーポイント形式と模擬面接形式です。
・パワーポイント形式
学会発表を想定した方法で、認知行動療法の視点からケースのまとめを行います。事前にテンプレートとなるスライドと作成動画をお送りしますので、テンプレートにあてはめて作成することで資料が完成します。作成途中、情報を聴けておらずテンプレートに当てはめることができない場合がありますが、そのことへの気づき自体が自分自身によるSVともいえると考えています。最初からうまく書く必要はありません。定期的にSVを行う中で少しずつ書けるようになっていきましょう。
・模擬面接形式
パワーポイント形式の弱点は面接概要は把握できても細かなやりとりを把握することができません。模擬面接形式では、例えば初回導入場面の模擬面接、心理教育場面の模擬面接など細かな場面に分けて実際のやりとりを再現することが可能です。それにより、細かな部分まで振り返ることができます。最初からうまくできる必要はありません。一緒に悩みながら成長していきましょう。録画も可能ですので自身の臨床の振り返りにご活用ください。
スーパーバイズと厳しさについて
SVは厳しいものだというイメージをもたれている方もいるかもしれません。自分ができていないことを指摘され叱責される。私自身そのようなイメージを抱いていましたし実際にSVを受けそのように感じることもありました。私自身が誰かにSVを実施する際にもかつてはそのような印象をもたせてしまっていた可能性が大いにあります。クライエントさんのことを考えれば多少の厳しさは必要だとどこかで考えていたのかもしれません。しかしだからといってSVが厳しいものでよいという理由にはなりません。安心してうまくいかないことについて話すことができ一緒にどうすれば良いか考えることのできるSVを目指していきたいと思います。
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